にっき

メイゲツタカハシの日常

11月9日

 

 

熱が下がらない。昨日から38〜39度を行ったり来たりしている。おそらく扁桃腺炎で、前にもらった抗生物質を探せば熱も下がって一発で元気になるのはわかっているのだけれど、それを探す気力はない。第二次世界大戦後の東京(焼け野原)みたいな我が家中をひっくり返して薬を探す元気はなくても、昨日はバイトへ行き、今日はバイト先の子と映画を見てきたのだから、褒めて欲しい。褒められたものかは果てしなく謎であるが。正直昨日の昼間の時点では熱は下がっていたし、バイトへ行く道中は埼京線に殺されそうになってはいたものの、タイムカードを押して体を動かしていれば気が紛れた。あと、事務所にあった風邪薬がてきめんに効いた。しかし、その無理が祟ったのか今日は朝になっても体温が38度を下回ることなく、体の節々もギシギシと痛んだ。金子に連絡すると、「また風邪引いてんの?」と呆れられた。病院へ行く気力が湧かないのだ。以前、病院へ行くのをさぼって放置していたら体温が40度を超えてしまい、金子に付き添われて病院へ行って点滴をしてもらった前科がある身としては、報告するのに少し勇気を必要としたけれど、ベッドから起き上がれず、テレビのチャンネルを変えることすら億劫で不本意ながらグッディを見る羽目になって寂しさがこみ上げてきてしまったので、勇気を振り絞ってラインをしたのだ。

それから3時間ほど眠ると、寒気がなくなったのでベッドから出てイブクイック頭痛薬を飲んだ。この手の薬は熱を下げてくれるので、ありがたや、ありがたや、と思いつつ2錠飲んだ。それからシャワーを浴びて、化粧をして、新宿に向かった。バイト先の子と映画を見る(その前にご飯を食べる)約束をしていたのだ。新宿まで向かう道中は、イブプロフェンサンキューベリーマッチ、ちょっとした寒気だけで済んだけど、その子のリクエストでねぎしのしろたんを食べると、胃が悲鳴を上げ始めた。結論から言うと、その次に行ったカフェでタバコを吸うと、猛烈な吐き気に襲われて拒食症のモデルみたいに口に手を突っ込んで吐いた。便器に浮かんだ何らかの葉っぱのお漬物がアメーバみたいだった。しばらくトイレで悪戦苦闘しているうちに、わたしが注文したカフェモカが運ばれてきていたようで、席に戻るとご丁寧にマシュマロまでついた、ほぼココアじゃねえかこれ、と言うレベルのココア含有量を誇るカフェモカが運ばれて来ていた。もうわたしの胃は限界だったので、隣に座っていたハイライズパンツを履いているのに背中が見えている女に向かって吐き出しそうになりつつも半分くらいは飲んだ。もうココアの味が漢方の薬のように思えて、などとカフェモカなんか頼むものか、ていうかなんで私カフェモカ頼んだんだ、馬鹿じゃねえのなど考えつつ、私は今月号のポパイ(映画とドーナツ)を読んで、バイト先の子は私がポパイを読み終わる間に装苑とニヨンを読んでいた。そして私がカーサブルータスをパラパラとめくって、あまり興味を惹かれずに読み終えてボケーっと携帯をいじったり密かにげっぷをしたりしている間に、バイト先の子はニヨンと入れ替えに持ってきたギンザを読んでいた。その子がギンザを読み終えたあと、紆余曲折ありつつバルト9へたどり着いて『彼女がその名を知らない鳥たち』を見た。夏にシナリオ年鑑に載っていた『日本で一番悪い奴ら』のシナリオ(映画自体は未見)がものすごく面白かったので、まあまあ期待したのだけど、観客を馬鹿にしているのか、と思うほどに説明しすぎで、蒼井優の演技はすごいものの、黒沢清かよっていう照明とか、スローモーションの多用とか、何から何まで私好みでなかった。簡単に見ている時の心情を説明すると、「蒼井優がすごいのはもうわかった、もうわかった……お、松坂桃李も意外と………あ!アカン!! 竹野内豊全然カッコよくないやんどうしたん!! 阿部サダヲ怖くしすぎ、怖くしすぎ………ああ、なるほど確かに愛だね……阿部サダヲいいやん……いや最終的に回想か!マジか!」って感じだった。あと、この映画のトレーラーか何かで「共感度0パーセント」「登場人物すべてクズ」というような触れ込みがあったような気がしたのだけど、個人的にみんなそこまでクズじゃないしそれなりに共感してしまった。元々そこまで私好みじゃない予感はしていたので、ならそもそも見るなや、って話だなあ、と今思った。なんで見ようと思ったのだろう……でも、個人的に阿部サダヲをキモいと罵る蒼井優はサイコーだしチョー共感だった。わかるああいう男マジでキモい。松坂桃李に会った日に阿部サダヲに手マンされるのもチョー共感だった。この蒼井優をクズと呼ぶのならば全人類の女性の4割ぐらいはクズだと思う。

そんなこんなで家に帰ってきて、体調がめちゃくちゃ悪くて、でもなんか日記が書きたかった(というかしんどくて眠れない)ので、今書いた。永田さんから久々にラインが来たのだが、都合のいい時だけ連絡してくる男拒絶モード(竹野内豊松坂桃李がキモすぎた)なので、ブロックした。おわり。本が読みたい。