にっき

メイゲツタカハシの日常

7月9日

 

6時過ぎに一度目を覚ましたけど、すぐさま二度寝して8時半に再び起きた。
最近のじめじめと煮え切らないような天気にしっかり精神をやられているので寝ることくらいしか楽しみが無くなってしまった。

別にお腹が空いていたわけではないのだけれど、なんとなく朝ごはんを食べた。
卵と納豆をごはんにぶっかけたものだ。いつもは朝ごはんなんて食べないのに、昨日友達と長電話をして遅くまで起きていたのでちょっとおかしくなっていたのかもしれない。

それから歯磨きと洗顔を済ませた。マウスウォッシュが無くなった。買わないといけない。

あまり雨が降っていなかったので歩いてバイト先に行こうか迷ったけれど、結局電車に乗った。うっすら体調が悪いと生活に対するすべての気力が奪われる。電車の中で小説を読んだ。何度か読み返している比較的好きな小説ではあるのだが登場人物がしっかり傷つく描写がいたるところに出てきてしんどいので明日からはジャックケルアックとウィリアムバロウズの『そしてカバたちはタンクで茹で死に』を読もうと思う。もしくは何かしらのシオランの本。私は別に芸術肌ではないし、文学を愛している訳でもないけれど、結局のところ現実から逃げたくて本を読んでものを書くのだと思う。本を読むのもものを書くのも嫌いではないけれど、だからと言って好きでしているわけではないし、ましてや必要だからしているわけではない。そういう風に思えるロマンチックで芸術的な人間に生まれていたらもっと大成していたのだろうけど、あいにくその類の感情をそこまで持ち合わせていないので天才っぽく時間をわすれて没頭するような振る舞いができない。本を読んでいても、ものを書いていても、明日マウスウォッシュを忘れずに買わなければいけないけどあの類の生活に必需ではないものを買うと無駄金を叩いた気分になるのですごくいやなんだよな、などとつらつらと考えてしまう。それも味だと思えてしまえるくらい幸せなマインドの持ち主ならばよかったのに、「世の女はもっと情緒的かつ前向きな文章を書いてお金を貰っているし、そちらのほうが読んでいていい気分になるのはわかっているのに、私はというとインターネットにぬかみそくさいデブリを撒き散らすことにしか価値を見出せない」などとどうしようもなくネガティブでひねくれたことばかり考えているせいで、いつまでもその手のハッピーな神経回路が構築されない。しかもさらに最悪なことにその手の幸せなマインドを手にしかけたところで「こんなもんクソだ」と投げ捨ててしまう可能性が非常に高い。自己愛を積極的に肯定してくれる両親に育てられたというのに一体全体どうしてこうなったのだろう。

 

バイト先でお腹が痛くて何度もトイレに行っていると先輩に心配された。生理痛である旨を伝えると鎮痛剤をもらった。自分で持っておけばよかったと思いながらお礼を言ってもらって飲むとびっくりするほど体調がよくなった。最近バイトを変えたのだけど、ものすごくいい職場で体調が悪くてもやる気が削がれない。

 

バイトが終わって家まで歩いて帰ろうと思ったが雨が強くなってきたので隣駅に着いた時点で電車に乗った。電車は空いていた。帰り道、ずっとシャナイアトゥウェインの「Man! I feel like a woman」をリピートして聞いていた。空元気という言葉が脳裏に浮かんだが、見なかったフリをして水たまりをばしゃばしゃ蹴りながら歩いた。

家に帰って生姜焼きを作るつもりだったのになんだか疲れていて結局カップ焼きそばを食べた。自傷行為みたいな気持ちで3分の2を食べたがいやになって残りは捨ててしまった。

 

それから350mlの缶ビールをちびちびと飲みながら久しぶりに日記でも書くかと思い至った。なんだか天気とリンクしていじけた精神状況でいるせいか、書いていてもすべてが上滑りしているような気分だ。まともな精神状況だったら2分ぐらい考えてからセルフブランディングのためにボツにすると思うが、少しまともではない精神状況のいま、綺麗なとこだけ見せてなにが日記だ、との強い思いが湧き上がってきているのでこのまま投稿してしまおうと思う。